公開フォーラム
公開フォーラムは学会員以外の方もご参加いただけます。
2015.11.21
文化資源学会フォーラム 「鎌倉近代美術館の閉館をめぐって」
法文2号館2番大教室 13:30〜17:00
神奈川県立近代美術館は1951年11月に日本で最初の公立の近代美術館として鎌倉の鶴岡八幡宮境内に開館しました。戦後間もない、占領下の日本において新しい文化の発信地として誕生した近代美術館は多くの人々の共感と支持を得てきました。ル・コルビュジエの弟子坂倉準三によるその建物も日本を代表する近代建築の名作として高く評価されています。
しかし、鎌倉近代美術館(カマキン)の通称で親しまれてきたこの美術館が、鶴岡八幡宮との借地契約期間終了に伴い、2016年1月末をもって展覧会を終了し、その後3月末までに鎌倉における美術館活動に完全に終止符を打つことになりました。現在、近代美術館では、その活動を振り返る最後の展覧会「鎌倉からはじまった。1951-2016」が3部に分けて開催されています。また文化資源学会も、7月には「神奈川県立近代美術館と戦後日本」と題した特別講演会を開きました。けれども、その一方で、本年9月、神奈川県は、鎌倉における美術館活動の終了、鎌倉本館の建物保存とその八幡宮への移譲、新館および学芸棟の解体撤去という方針を議会で発表しています。
このような状況のなかで、文化資源学会では戦後70年の節目にあたる2015年度の重要な活動として、戦後日本の社会の中でこの鎌倉近代美術館が果たしてきた先駆的な役割を振り返り、未来に残すべき遺産としてのその価値と保存のあり方を、さまざまな視点から考え直してみる議論の場としてフォーラムを企画します。
詳細はプログラムをご覧ください。
- 水沢勉(神奈川県立近代美術館館長)
- 「美術館は更新可能なのか—カマキンの場合」
- 木下直之(東京大学教授)
- 「神社景観とモダニズム建築—姫石と鎌倉近代美術館は排除されるべき異物か?」
- 山名善之(東京理科大学教授、docomomo international理事)
- 「無限成長美術館へのまなざし—ムンダネウムから鎌倉、上野」
討論(司会 太田泰人)
2015.11.7
春画展示研究会 東京大学法文2号館1番大教室 14:00〜17:30
第1部 報告
「春画とは何か」
- 早川聞多(国際日本文化研究センター名誉教授)
- 「京都と春画」
- ロバート キャンベル(東京大学教授)
- 「春画未満—永井荷風と明治期の美人絵葉書—」
「春画展を阻んできたもの」
- 浦上満(浦上蒼穹堂代表取締役)
- 「春画展開催顛末」
- 木下直之(東京大学教授)
- 「つまるところは猥褻をめぐる自主規制か」
第2部 討議
「春画と日本社会」
- 福岡真紀(リーズ大学准教授)
- 「見ることの歴史からみた二つの「春画」展」
- 石上阿希(国際日本文化研究センター特任助教)
- 「誰が見て、誰が語るのか」