第97回 初秋の遠足「建築家・藤森照信氏の故郷で、その作品群をめぐり歩く」
日程
- 2025年9月9日(火)13:00-17:00
場所
- 長野県茅野市: 諏訪大社上社前宮と前宮周辺史跡、「神長官守矢資料館」、「高過庵」、「低過庵」、「空飛ぶ泥舟」、「五庵」、「高部公民館」
案内人
- 松隈 章(竹中工務店・聴竹居倶楽部、文化資源学会員)、春日恒男(文化資源学会員)
解説者
- 藤森照信(建築史家、建築家)
開催趣旨

建築家としての藤森照信氏の仕事は、建築の<始原>に立ち返り、それを新たな建築の<資源>にするための軽妙で壮大な実験のように思えます。

また、建築史家としての藤森照信氏は、その著『人類と建築の歴史』(筑摩書房、2005年)の最終章を次の文で結んでいます。「21世紀の建築は、より軽くより透明にを目ざす一団が世界の中心にあり、その周りには物としての存在感の回復を夢想する、バラバラでクセの強い少数者が散らばって叫んでいる、そういう光景になるのかもしれない」。

藤森氏の作品群を思い浮かべると、それらはまさに「物としての存在感の回復を夢想する」建築そのものであり、そして、「バラバラでクセの強い少数者」とは、まさに藤森氏その人にちがいありません。

藤森氏の故郷、諏訪湖周辺の地域は、縄文文化が栄えた地として有名です。生家近くの諏訪大社上社前宮は日本最古の神社の一つであり、巨木・巨石を崇拝する原始信仰を脈々と今日まで伝えています。

デビュー作の「神長官守矢資料館」(1991年)をはじめとして、代表作の奇想天外な「茶室」群も、そして、地域住民との協力で建てた「高部公民館」(2021年)もこの地に存在します。藤森氏の故郷に寄せる並々ならぬ想い、建築史家としての過去と現在を見る透徹なまなざし、そして、建築家としての未来へ向けた遊び心あふれる挑戦、そのすべてをここではまのあたりにすることができるのです。

今回の遠足は、この建築家の故郷で、その精神風土を感じ取りながら、建築家自身の解説により、その作品群をめぐり歩いてみたいと思います。











行程
13:00 諏訪大社上社前宮の社務所前に集合。
上社前宮と周辺史跡の見学。鎌倉遊歩道を経由して茶室群へ移動。
13:30 茶室群めぐり
AとBのグループに分かれ、茶室群をめぐり歩きます。
Aグループ(高過庵、低過庵、空飛ぶ泥舟→五庵でお茶室体験)
Bグループ(五庵でお茶室体験→高過庵、低過庵、空飛ぶ泥舟)
※高過庵に藤森照信氏が待機。空飛ぶ泥舟は外観のみ見学。
※五庵に藤森美知子氏が待機。ここで薄茶を一服頂戴します。
15:30 神長官守矢史料館前に集合。史料館と御頭御社宮司総社の見学。藤森照信氏の解説。
16:30 高部公民館へ移動。公民館は外観のみ見学。
17:00 公民館駐車場で解散。解散後は自由行動。