第76回 白南風の遠足「浅草寺熟覧」
日程
- 2018年6月30日(土)
案内人
- 木下直之(東京大学)、京谷啓徳(九州大学)
解説者
- 藤元裕二(浅草寺)
浅草寺には、二度の震災(安政大地震・関東大震災)と戦禍(東京大空襲)をくぐり抜けて、およそ250点の大絵馬が奇跡的に伝わっています。その多くは、江戸時代後期から明治時代半ばにかけて奉納されたものです。
絵馬は信者から浅草観音へと捧げられたものではありますが、本堂内や絵馬堂に掲げられ、多くの参拝者の目にふれました。菊池容斎、歌川国芳、柴田是真ら一流の絵師たちの描いた絵馬は評判を呼び、そこは現代でいう美術館の役割を果していたのです。現存する絵馬の中から、五重塔内部に保管されているおよそ60点を拝観します。
浅草寺の本坊である伝法院の庭園は、寛永年間(17世紀前半)の造営といわれ、現在は国の名勝に指定されています。こちらも見学したあとは境内を歩き、各所にある石碑を「熟覧」します。浅草という土地柄、文人ばかりでなく芸人たちを顕彰する碑も数多くあります。
なお、この遠足は「東京だョおっ母さん!平成篇」第1弾として開催し、島倉千代子が昭和32年(1957)にヒットさせた名曲「東京だョおっ母さん」(作詞野村俊夫、作曲船村徹、日本コロムビア)の歌詞を3番から1番へと逆にたどりながら、後日、靖国神社、ついで皇居二重橋を訪ねる予定です。
行程
浅草寺寺務所入口(五重塔正面) → 浅草寺に奉納された絵馬拝観 → 伝法院庭園回遊 → 境内の石碑見学