第74回の遠足 春が来た!「神戸塩屋・昔と今が香る坂道」
日程
- 2018年3月2日(金)- 3日(土)
案内人
- 松隈章(会員・竹中工務店・ギャラリーA4)、サラ・デュルト(旧グッゲンハイム邸スタッフ、文化資源学会会員)
解説者
- 赤尾建藏(竹中大工道具館館長)、森本アリ(旧グッゲンハイム邸管理人)
特別ゲスト
- 藤森照信(建築史家・江戸東京博物館館長)
今回の遠足は神戸・塩屋在住の案内人二人が協同で企画しました。
神戸の西、六甲山系の西端に位置する塩屋は、その名の示す通り、塩をつくり、漁を営む小村でしたが、神戸が開港すると、居留地から多くの外国人が移り住みました。その結果、現在も海を望む高台に洋館の点在する独特の景観を形作っています。その中から、1930年代に塩屋の西の丘陵地に外国人住宅地を開発した英国人貿易商E.W.ジェームスが自邸として建てた「旧ジェームス邸」(1934(昭和5)と1909(明治43)年に、神戸で貿易を営んでいたドイツ系米国人家族のために英国人建築家A.N.
ハンセルの設計で建てられたとされる旧グッゲンハイム邸を見学し、明治から昭和の洋館の現代における活用の事例をご紹介したいと考えています。また、小さいながらも豊かな生活の営みが感じられる塩屋のまち歩きには特別ゲストとして建築史家の藤森照信氏にご参加いただき、その後旧グッゲンハイム邸にて木下直之氏(かつての塩屋在住者)との対談を予定しています。
1日目は案内人松隈章氏がその保存修復及び活用への道筋に深く関わった旧ジェームス邸内部を見学し、昼食を楽しみます。その後、新神戸、北野異人館街にほど近い「竹中大工道具館」を訪れ、建築を支える大工の道具と技を学びます。夜は三宮周辺で懇親会を予定しています。
2日目は古来より多く歴史や文学の舞台となった須磨の史跡(源平一ノ谷合戦)の散歩からはじめ、天気がよければロープウェーに乗って山上から春先の瀬戸内海を眺めて、塩屋へと下山します。2日目のハイライト、旧グッゲンハイム邸は、度重なる台風や阪神大震災で傷んでいたところを2007年に私(案内人サラ・デュルト)家族が買い取り、現在は、管理人の森本アリ(案内人の兄)の運営のもと、多目的スペースとして、レッスンやイベント使用、映画やドラマ、スチール撮影等多様に活用されています。当日は、13時から15時でライブ使用が入っているため、その設営や準備も見学します。
午後は、塩屋の町へ繰り出し、駅前に軒を連ねる商店街や、高低差があり、小さいながらも見所の多い個性的なまちを散策し、木下直之著『ハリボテの町』(朝日新聞社、1996)に掲載された写真の中から塩屋で撮ったものをピックアップし、今昔を見比べながら町をめぐります。
なお、同日16時より旧グッゲンハイム邸にて建物やまちをめぐって建築史家:藤森照信氏と木下直之氏との対談を予定しております。こちらにもどうぞふるってご参加ください。
サラ・デュルト
行程
日程3月2日(金)-3日(土)
1日目
・11時塩屋駅集合
・11時半-12時半「ジェ-ムス邸」見学
・12時半-13時半「ジェ-ムス邸」にてランチ
・13時半-移動(滝の茶屋-新神戸)
・14時半竹中大工道具館で再集合
・14時半-16時頃「竹中大工道具館」見学
解説:赤尾建藏(竹中大工道具館館長)
(時間あれば北野異人館街等を各自自由見学)
・18時-神戸三宮近辺で懇親会、各自宿泊
2日目
・9時に元町駅集合、須磨駅集合
・9時-10時半神戸旧居留地等街歩き、須磨史跡めぐり・街歩き
晴天時:須磨駅-須磨浜-一ノ谷-須磨浦公園-須磨山上遊園
雨天時:須磨駅-須磨寺-一の谷-須磨浦公園
・11時過ぎ-12時「旧グッゲンハイム邸」「後藤邸」見学(藤森照信氏合流)
解説:森本アリ(旧グッゲンハイム邸管理人)
・12時-13時各自自由に塩屋のまちの食事処で昼食
・13時塩屋駅再集合
・13時-15時半 塩屋まち歩き
・15時半 解散
以下、オプション
・15時半「旧グッゲンハイム邸」対談受付開始
・16時-18時藤森照信×木下直之対談
・18時半-旧グッゲンハイム邸にて乾杯