第65回 春きたる遠足「新宿のエロ地理、江戸から現代まで−ヘテロセクシュアル、ホモセクシュアル、トランスジェンダー」
日程
- 2016年3月26日(土)
案内人
- 赤岩なほみ(会員)
解説者
- 三橋順子(性社会・文化史研究者、明治大学・都留文科大学など非常勤講師)
甲州街道の宿場町・内藤新宿の流れを汲む新宿遊廓以来、「性なる場」として繁栄してきた新宿にはいま、女性のいる店、ゲイバー、女装スナックなど、さまざまな業態の店が入り混じっています。
新宿遊廓は、現在の御苑大通り(新宿2丁目と3丁目の境)の両側に相当する場所にありました。空襲ですっかり焼けた遊廓跡地の一部(2丁目側)は、戦後「赤33(1958)年の売春防止法で衰退しました。2丁目のゲイタウンは、「赤線」地域の跡地にあります。
新宿の盛り場が歌舞伎町界隈(昔の地名で言うと角筈)に移動したのは、大ガードあたりに都電の停留所ができた、昭和20年代半ば以降のことです。このあたりに発生した「青線」(非合法の売春地区)に売春防止法成立後に街に立って商売していた女装男娼が店の権利を買って小さな飲み屋を出したのが、ゴールデン街・花園街の女装コミュニティの発祥です。
盛り場の立地や業態が時につれて変わっていく様子、セクシュアリティによる棲み分けを、地形・交通網・人の流れなどを軸に探ります。
行程
13 :00 新宿駅東口(馬水槽)集合
http://www.kanko-shinjuku.jp/spot/tabid/65/pdid/216/Default.aspx
13 :10 探索開始
新宿駅東口→「三越裏」界隈→天龍寺・雷電神社と旭町スラム(新宿駅東南口近く)→追分(新宿三丁目交差点あたり)→内藤新宿と太宗寺→旧新宿遊廓・「赤線」・ゲイタウン(新宿2丁目・3丁目)→成覚寺→新宿3丁目(末広亭付近)→花園神社→ゴールデン街・花園街 →歌舞伎町周辺→「二幸」(アルタ)裏
17 :30 探索終了
18 :00 懇親会
【参考資料】
三橋順子「東京・新宿の青線について――戦後における『盛り場』の再編と関連して」(井上章一・三橋順子編『性欲の研究 東京のエロ地理編』平凡社、2014年、所収)
加藤政洋×三橋順子「『性なる場所』の戦中戦後」(同上)
三橋順子『女装と日本人』講談社現代新書、2008年